【信用取引】信用買でETF保持長期保有の可能性を考える

資産運用
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ETFで信用買いを考えたい!

S&P500やオルカンといったETFを購入した場合、3%~5%のリターンが期待できるといわれています。
信用買いでこういったETFを購入して長期保有できないか検討してみます。

信用取引(信用買い)のコスト・配当金

信用買いのコスト

信用取引のコストとして以下が基本的にかかります。

  1. 買方金利
    買い建玉に対してかかる金利
    おおよそ年利2.0%~2.8%
  2. 名義書換料
    買い建玉が決算日(権利確定日)をまたいだ場合に発生する費用
    売買単位あたり55円(税込) ※ETF/ETNは、売買単位あたり5.5円(税込)
    上限:なし
  3. 管理費用
    新規建て約定日から1カ月経過するごとに発生する管理費
    1株につき11銭(税込)※売買単位が1株である銘柄については1株につき110円(税込)
    上限:1100円(税込)/月

買方金利は知っている人が多くても、名義書換料、管理費用は知らない人も多いのではないでしょうか?
個別株を信用取引する場合は名義書換料、管理費用は買方金利と比べても安いので気にしない人もいるかもしれないですが、ETFを信用買いする場合は重くのしかかります。
個別株とETFを信用買いした場合のコストを比べてみます。

1.買方金利2.名義書換料3.管理費用合計
個別株¥8,400¥110¥1,320¥9,830
ETF¥8,400¥1,100¥13,200¥22,700
*) 売買単位:個別株100単位,ETF1単位、年2回決算、1株当たり3000円で試算

名義書換料と管理費用がかさみ、1年間のコストでは2倍以上かかる試算になります。
さらにETFは1株あたりの価格が安い、ETFの銘柄によっては年4回,6回,12回決算があると考えると銘柄によってはさらにコストが増します。

信用買いの配当金

信用買いの状態(買い建玉)の状態で権利付き最終日をまたいで保持している場合、配当金の代わりに、配当落調整金を受け取れます。

この配当落調整金は、配当金額から15.315%の源泉徴収税額相当分を控除した後の金額(配当金×84.685%)が入金されます。
この配当落調整金は配当所得として扱われず、配当控除の対象になりません
また、譲渡所得の計算に含み、ここから所得税、住民税が引かれます。(実質二重課税になっているようです)

証券会社ごとの比較

ETFで信用買いする場合の名義書換料、管理費用のコストを確認できたうえで、各証券会社の費用を確認してみます。

証券会社名買方金利
(制度)
買方金利
(一般)
名義書換料管理費用売買手数料
DMM.com証券2.70%ありあり88円~
野村證券0.50%0.50%ありあり524円~
SBIネオトレード証券2.30%2.75%ありあり無料
GMOクリック証券2.75%2.00%ありあり100万まで無料
SBI証券2.80%2.80%ありあり無料
楽天証券2.85%2.80%ありあり無料
マネックス証券2.80%3.47%ありあり99円~
SMBC日興証券2.50%3.00%ありなし実質無料
auカブコム証券2.98%2.79%あり
(一般は1回のみ)
あり 100万まで無料
松井証券3.10%4.10%ありあり50万まで無料

気になる証券会社をピックアップしてみます。

  1. 野村證券
    制度信用、一般信用ともに金利が0.5%と最安、ただし売買費用が高い
  2. GMOクリック証券
    一般信用の金利が2.0%売買手数料無料の中では安い。
  3. SMBC日興証券
    制度信用の金利が2.5%売買手数料が無料管理費用が掛からない
  4. auカブコム証券
    一般信用の場合、名義書換料は1回のみと記載有 *)詳細は未確認

かなり証券会社ごとに異なります。楽天証券やSBI証券といったネット証券最大手は意外とコストが高く、上にあげた4社が比較的コストが安く済みます。

どの証券会社がよいか?

どの証券会社がよいかは、ETFを信用買いする場合はどのようなスタンスによって変わってくると思います。

スタイル1: 総資金以上に投資したい場合

売買せずに長期保有する場合は、SMBC日興証券野村証券が候補にあがってきます。

多くの種類の銘柄を保持する場合や投入資金が少ない場合は、管理費用が総コストの大きな部分を占めてくるため、管理コストが不要でかつ、売買手数料が無料のMBC日興証券が有利になります。
一方、少ない種類の銘柄を保持する場合や投入資金が少ない場合は、総コストに対する管理費用のコストが低くなるため、野村証券が有利になります。

ただし野村証券を利用する場合は、金利1.5%の証券担保ローンがあるのでそちらを利用した方がコストが低くなることが多いはずです。

スタイル2: 総資金内で投資する場合

ETFを信用買いする場合、名義書換料と管理費用が高くのでそれを回避できます。
この方法を利用する場合は売買手数料が安く、買方金利が比較的安いGMOクリック証券が一番良いかと思います。

例えば、毎月10日決算の場合は以下のように回避できるはずです。

~6/8(権利付き最終日まで):買い建玉保持
 6/8(権利付き最終日)  :買い建玉現引⇒現物保持
 6/9(権利付き最終日翌日):現物売、信用買を同時に実施
6/9~7/8(権利付き最終日まで): 買い建玉保持

上述のようにすれば6/8~6/11の4営業日間、資金を拘束されますが、それ以外の期間では資金は使用できます。
この拘束期間外の間に、優待クロスや銀行ポイ活で資金を働かすことができます。

さらにメリットとしては分配金を配当落調整金としてではなく配当金としてもらえるため二重課税も回避できます。

まとめ

・ETFを信用買いする場合は、個別株と比べて、名義書換料と管理費用のコストが大きくなる

・信用買い金利だけでなく、名義書換料と管理費用も証券会社によって異なるため、総合的に比較する必要がある

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